仮想通貨の損益計算(1年間の売買で結局いくら儲かったのかを出す計算)ツールを調べると、まず出てくるのがクリプタクトです。ただ、評判を検索して出てくる記事の多くが2023年前後で止まっていて、書いてある料金が今と違います。
調べていて驚いたのですが、他の記事に「海外取引所を使うなら年19,800円のプランが必要」と書いてありました。これ、今は無料プランでできます。
- クリプタクトの評判が真っ二つに割れる理由
- 2024年9月の料金改定で何が変わったか(古い記事との差)
- 悪い口コミ6つ・良い口コミ3つの中身
- 無料50件が想像より早く尽きる理由
- Gtaxとの違い、国税庁の無料エクセルで足りる人
- ツールでも計算できなかった人の選択肢
- 結局あなたに必要かどうかの判定基準
この記事では2026年7月時点の情報に揃えたうえで、良い評判も悪い評判も両方並べます。そのうえで「あなたに必要かどうか」の判定基準まで書きます。結論から言うと、判定はほぼ一点、年間の取引件数で決まります。
結論:クリプタクトの評判は「年50件」で真っ二つに割れる
評判が割れる理由はシンプルで、無料で使える範囲が年間取引50件までだからです。ここを超えるかどうかで、同じツールが「神ツール」にも「金を取られた」にもなります。
先に全体像を置きます。
| 年50件以下 国内のみ | 無料プランで完結(0円) |
|---|---|
| 年50件超 国内中心 | 有料プラン(年6,600円〜) |
| 履歴が取れない DeFi中心 | ツールでは無理。後半で解説 |
自分がどこにいるか、この記事を読み終わる頃には分かるようにします。
クリプタクトとは?料金・対応通貨を30秒で
クリプタクトは、取引所からダウンロードした取引履歴をアップロードすると、損益を自動で計算してくれるツールです。運営は株式会社pafin。国内ユーザーは15万人以上とされています。
| 対応通貨 | 26,000種類以上 |
|---|---|
| 対応取引所 | 170の取引所・チェーン |
| API連携 | 30以上の取引所(取引所とツールを自動でつなぎ、履歴を手でダウンロードせずに済む機能) |
| 計算方式 | 移動平均法・総平均法・FIFO・LIFOの4つ |
| 無料枠 | 年間取引50件まで |
| 有料 | 年6,600円〜(税込) |
計算方式の名前が4つ並んでいて面食らうかもしれませんが、要は「買った値段の平均をどう出すか」の違いです。総平均法は1年分をまとめて平均する方法、移動平均法は買うたびに平均を計算し直す方法。ほとんどの人は総平均法を使います。
ちなみに国税庁も「暗号資産の計算書」というエクセルを無料で配っています。移動平均法用と総平均法用の2種類で、取引所から届く年間取引報告書(年明けに送られてくる1年分の取引まとめ)を使うなら総平均法用を使え、という指定付きです。
つまり「無料の公式ツールがあるのに、なぜ有料ツールを使うのか」という問いが先にあります。この記事はそこも含めて答えます。
クリプタクトの料金は2024年9月に変わった|古い評判に注意
ここが一番大事です。クリプタクトは2024年9月9日に料金プランを改定しました。それ以前に書かれた記事の情報は、そのまま鵜呑みにすると判断を誤ります。
有料の最小プランは8,800円から6,600円に値下げされた
従来の年額8,800円(税込)から、年額6,600円(税込)に下がりました。「年8,800円かかる」と書いてある記事は、改定前の情報です。
あわせて、長期間取引を休む人向けに、保存済みの取引データと計算結果を保管する「データ保持」プラン(年額3,960円)が新設されています。
無料プランでも海外取引所とDeFiが使えるようになった
これが一番大きい変更です。改定前は上位プランでしか使えなかったウォレット(仮想通貨を自分で保管する財布アプリ)の読み込みと、DeFi(取引所を通さず、ブロックチェーン上で直接やりとりする金融サービス)取引の自動識別機能が、無料プランから使えるようになりました。クリプタクトはこれを国内の損益計算サービスで初の取り組みだとしています。
ところが検索上位には、まだこう書いてある記事が残っています。
| 海外取引所は 年19,800円 | → 現在は無料プランで対応 |
|---|---|
| ウォレット連携は 年55,000円 | → 現在は無料プランで対応 |
| 有料は 年8,800円〜 | → 現在は年6,600円〜 |
| 17,312銘柄 90取引所 | → 現在は26,000種類超・170 |
「クリプタクトは海外取引所を使うと高い」という評判を見かけたら、それは2024年8月以前の話です。
API連携の対応取引所も変わっている
2023年頃の記事には「API連携できる国内取引所はbitbank、Zaif、Huobi Japan、FTX Japan」と書かれています。ただFTX Japanはすでに破綻していますし、Huobi Japanも社名が変わりました。現在のAPI対応は30以上の取引所です。
評判記事を読むときは、まず更新日を見てください。2024年9月より前なら料金の記述は信用できません。
クリプタクトの悪い評判・口コミ6つ
先に悪い方から並べます。
①「50件を超えると有料になる」
最も多い不満がこれです。無料プランは年間取引件数50件まで。51件目からは有料プランが必要になります。
注意したいのは、50件を超えると損益の計算結果そのものが表示されなくなる点です。読み込み自体は無料プランでも最大10万件まで可能なので、「アップロードはできたのに数字が出ない」という状況が起こります。
②「DeFiの入力が大変だった」
DeFiを自動識別できるとはいえ、特殊な取引では手動での調整が発生する、という声があります。完全自動ではなく、複雑な取引では目視確認が必要になるということです。
③「難しすぎてギブアップした」
これは重い口コミです。ツールを入れれば誰でも終わるわけではない、ということを示しています。取引の中身が複雑な人ほど、ツールに入れた後の仕分け作業でつまずきます。
④「問い合わせの返信が遅い」
サポート窓口は平日の10時〜17時。公式は3営業日以内の返信としていますが、確定申告シーズンは混み合います。2月に入ってから慌てて質問すると詰みます。
⑤ スマホアプリがない
パソコンのブラウザ専用です。スマホからブラウザで閲覧はできますが、実作業はパソコンが要ります。スマホしか持っていない人には向きません。
⑥ 非対応の通貨・チェーンがある
26,000種類に対応していても、全部ではありません。マイナーな通貨やチェーンだと非対応の場合があり、自動連携が使えず手作業になります。有料プランに入る前に、自分の使っている通貨が対応しているか確認してください。
クリプタクトの良い評判・口コミ3つ
①「自分で計算したら漏れが出ていた」
個人的に一番説得力があると思った声がこれです。時間をかけて自分で総平均法で計算したものの抜け漏れが不安で、ツールに入れてみたら案の定漏れが見つかった、しかも登録からアップロード、反映まで数分だった、という趣旨のものです。
手計算の怖さは、間違っていることに自分では気づけない点にあります。
②「金を払う価値がある」
税金計算が難しすぎるので、ここには金を払ってでも使う価値がある、という声。年6,600円を高いと見るか安いと見るかは、自分の時給次第です。
③ 税理士も実務で使っている
クリプタクトには税理士・会計士向けのプランがあり、公式サイトによると130以上の税理士に利用されています。プロが実務で使うツールが、個人にもそのまま開放されている構図です。
クリプタクトの無料プランは50件で尽きる|デメリットの本体
ここが本記事で一番伝えたい部分です。「年50件なら余裕でしょ」と思った人ほど、ここは読んでください。
料金判定は「集約前」の件数でカウントされる
クリプタクトは計算効率を上げるため、1分以内の同じ銘柄・同じ取引種類・同じサイドの取引を1件にまとめて画面表示します。ところが料金プランの年間取引件数は、まとめる前の件数でカウントされます。
つまり画面上は10件に見えても、料金判定では30件、ということが起こります。
毎日つみたてをしている人は初年度から有料が確定する
具体的に数えてみます。
| 毎月つみたて 1銘柄 | 年12件 → 無料 |
|---|---|
| 毎月つみたて 3銘柄 | 年36件 → 無料(ギリギリ) |
| 毎月つみたて 5銘柄 | 年60件 → 有料 |
| 毎日つみたて 1銘柄 | 年365件 → 有料 |
| 毎日つみたて 2銘柄 | 年730件 → 有料 |
毎日つみたてを1銘柄やっているだけで年365件。無料枠50件の7倍です。初年度から有料が確定します。
さらに見落としがちなのが、売却だけでなく仮想通貨同士の交換も1件としてカウントされる点です。ビットコインをイーサリアムに替えただけでも1件。「まだ日本円にしていないから取引していない」と思っている人でも、件数は積み上がっています。
つまり「毎月つみたてを1〜3銘柄だけ、あとは放置」という人以外は、ほぼ有料だと思っておいた方がいい。ここを正直に書いていない記事が多いので、あえて書きました。
とはいえ「自分が年に何件やっているか」なんて、普通は数えていません。ここで手を止めて電卓を叩くより、クリプタクトの無料プランに登録して取引履歴を放り込んでしまう方が早いです。登録は無料で、件数が50を超えているかどうかもその場で分かります。
50件以下だったなら、そのまま無料で使い続ければ終わりです。超えていたら、そのとき初めて年6,600円を払うか考えればいい。先に財布を出す必要はありません。
クリプタクトとGtaxの違いを比較|無料枠はGtaxが広い
比較対象としてよく挙がるのがGtaxです。無料枠に明確な差があります。
| 無料枠 | クリプタクト 年50件 Gtax 年100件 → Gtaxが広い |
|---|---|
| 対応通貨 | クリプタクト 26,000種類超 → クリプタクトが優位 |
| DeFi 無料対応 | クリプタクトはあり(2024年9月〜) |
取引件数が50〜100件の間に収まりそうな人は、Gtaxの無料枠の方が広いので検討の余地があります。一方、対応通貨の数はクリプタクトが優位です。マイナー通貨を触っているならクリプタクト、件数が中途半端でメジャー通貨だけならGtax、という切り分けになります。
なお、他社サービスから乗り換える場合、過去の取引履歴を全部アップロードし直す必要はありません。年初時点の各コインの保有枚数と簿価(帳簿上の値段。平均していくらで買ったか)の情報だけで始められます。
クリプタクトが不要な人|国税庁の無料エクセルで足りるケース
正直に書きます。全員にツールが必要なわけではありません。
前述のとおり、国税庁が計算書のエクセルを無料で配布しています。年間取引報告書を使うなら総平均法用です。
ただしこのエクセルには明確な限界があります。取引を全部手入力する必要があり、そして年間取引報告書を発行しない海外取引所の計算には使えません。国内取引所しか使っておらず、年に数回しか売買していないなら、国税庁のエクセルで十分に足ります。
判定はこうなります。
| 国内のみ 年に数回 | 国税庁の無料エクセルで足りる |
|---|---|
| 国内のみ 年50件以下 | クリプタクト無料プラン |
| 海外あり DeFiあり | クリプタクト無料プランで試す |
| 年50件超 | 年6,600円を払う |
下2つに当てはまったなら、クリプタクトの無料プランから入るのが定石です。無料の範囲で計算結果まで出るので、有料にするかどうかは数字を見てから決められます。
クリプタクトでも計算できなかった人はどうするか
先ほど「難しすぎてギブアップした」という口コミを紹介しました。この層は実在します。
ツールで詰むのは、だいたい次のケースです。
- 使っていた取引所がすでに閉鎖していて、取引履歴が取り出せない
- 海外のマイナー取引所やDEX(運営会社のいない取引所)を使っていて、履歴の形式が対応外
- ブロックチェーンゲームやNFTが絡んで、どこで税金がかかるのか自分で判断できない
- ツールに入れてはみたが、計算結果が明らかにおかしい
この場合、選択肢は「損益計算ごと外注する」になります。コインタックスは、取引履歴やウォレットアドレスを提出すれば損益計算から確定申告まで代行してくれるサービスです。日本ブロックチェーン協会と日本暗号資産ビジネス協会に加入していて、確定申告代行と税務調査対応は提携税理士が担当します。
ただし料金は安くありません。ライト・ベーシック・アドバンスの3プランがあり、いずれも10万円以上です。DeFi・NFT・ブロックチェーンゲームが絡むとオプション料金が別途発生し、閉鎖した取引所を使っていた場合は5万円の追加になります。
ここは冷静に判断してください。年6,600円のツールと10万円の代行では、10倍以上の開きがあります。利益が数十万円の人が使うサービスではありません。逆に、利益が数百万円あって、計算を間違えて追徴課税(申告が足りなかったときに後から追加で取られる税金)を食らうリスクの方が大きい人には、10万円は保険料として合理的な範囲に入ってきます。
クリプタクトの無料プランで一度試して、それでも手に負えないと分かってから検討する順番が正しいです。いきなり10万円のサービスから入る必要はありません。
それでも自力では無理だと判断したなら、コインタックスの料金と対応範囲を確認したうえで見積もりを取ってみてください。
クリプタクトの評判に関するよくある質問
まとめ|クリプタクトの評判は年間取引50件で決まる
長くなったので整理します。
- 評判が割れる理由は、無料枠が年50件だから
- 2024年9月の改定で有料は年6,600円に値下げ、海外取引所とDeFiは無料プランで対応済み
- 2024年8月以前の記事の料金情報は、もう当てにならない
- 料金判定はまとめる前の件数。毎日つみたて1銘柄で年365件になり、初年度から有料が確定する
- 国内のみ・年数回なら国税庁の無料エクセルで足りる
- 履歴が取れない・DeFiで詰んだ人だけ、10万円以上の代行を検討する
まずやることは1つです。自分の年間取引件数を数えてください。毎月つみたてを何銘柄やっているか、掛ける12。それが50を超えるかどうかで答えが出ます。
数えるのが面倒なら、クリプタクトの無料プランに履歴を入れてしまうのが手っ取り早いです。登録も計算も無料で、50件を超えているかどうかがそこで分かります。
50件以下だったなら、そのまま無料で使い続けて終わりです。超えていたなら、年6,600円を払うか、Gtaxの100件枠を見に行くか。それだけの話です。
なお本記事は一般的な情報提供であり、個別の税務判断については税理士にご相談ください。
※本記事は2026年7月16日時点の情報に基づきます。料金・プラン内容は変更される可能性があるため、申込前に公式サイトでご確認ください。
